これぞ!
自閉や発達障害の分野では、よくSSTが話題に登ります。
少なからずの教材が
この場合→こうすべし
のような感じに、わたしには見えます。
マロンはルール遵守タイプなので、
ルールを理解するし、ルールを守るし、守らせようとします。
でも、それではトラブルが起きます。
非常に柔軟とか、弾力的なルールの運用が求められます。
そこを何とかしていくのが、私がマロンに提供したいSTTです。
矢印では結ばれる保証のなど決してない、
背景、筋書きを持った、一つの場面の連続を
どう切り抜けていくか。
セントラルコヒーレンスの問題があるので、
いざ、自分におきたら上手い対応はできないのかもしれませんが、
そのヒントが、<宿題>にありました。
6年生の国語に「カレーライス」という物語が載っています。
主人公:ひろし君は、ゲームのし過ぎでお父さんに電源を切られてしまいます。
自分が悪いと思ってはいるのです。
でも、
・<そこまでしなくていいじゃないか>という思いや
・自分の成長ぶりに気がつかないで、あま~いカレーを作ったり
・そろそろ謝ろうという思いも出てきたところに
<根気強いな~>と神経を逆なでされるような言葉を口にして
自分の気持ちを全然わかってくれない
お父さんへの反発の気持ちのほうが強くなかなか謝れません。
お父さんの風邪をきっかけに、ひろし君がカレーを作ります。
そこでお父さんはひろし君が「中辛」を食べられるほどに成長したことをしり、
嬉しくなります。
そうして、二人はなんとなく仲直りします。
という物語。
普通の学校では<ひろしくんの気持ちやおとうさんの気持ち>の読み取りが課題に出るでしょう。
先生が出した問題は
①ひろし君の言葉や気持ちが出ているところについて、傍線を引き、
その部分について<マロン君はどう思ったか?>書き込みなさい。
→ひろし君は怒りすぎだよ、とか、お父さんがかわいそうだよとか書き込みしてました。
②「カレーライス」を読んで、ひろしくんへ話したいことを書きましょう。
→あまり怒るとお父さん、かわいそう。でも、ひろしくんの気持ちもわかるよ。
電源を切られたら、そこまですることないのにって思うもんね。
一番、最初の時(ゲームをしすぎたとき)に謝れれば、ベストだったね。
のようなことを書いてました。
もちろん、ことの善悪がわかり、ルールを守ることの意味がわかり、
自分を律するだけの自己抑制力がついていることが必要です。
(マロンはそれができています)
その上で、相手の気持ちをわかり、わかろうとし、
それについての気持ちを表現した上で、どうしたらよかったのかを考えさせるというところが
本当にすごいなと思いました。
自閉症の療育は特殊な教材、TEACCHやABAのような特殊な療育的環境が
<必ずしも>必要ではない。
生活の中で、可能な限りその子にフィットした環境を作って、
その子にフィットしたものを、どれだけオーダーメイドできるかだ。
そう思ってきました。
そのお手本のような宿題。
この課題を見せてもらって、私は感激しています。
最近のコメント