分水嶺 ~その2

息子を見ていて、一番気にかかっていたのは
中学校に行くようになってから、本来の伸びやかさや
屈託のなさ、他人に好かれるような近寄りやすさのようなものが
すっかり影をひそめてしまっていたことでした。

私自身、彼にフィットしそうな学校をできるだけ見て回って
彼の意向も聞きながら、行き先を選んできたつもりだったけれど、
実はそうではなかったのかもしれないという後悔はありました。

フリースクールを卒業した息子は
同じNPO法人の運営している高校に進学していました。
その高校でのヨット体験の記事(入学前です)

中1のころから何度も体験入学をしてきて、
息子も気に入ったらしい学校だったこともあって、
早々とこの高校への入学を決めていて、
多少の慣れはあったはずなのですが、
中学時代についてしまった人への<怯え>のようなものは
取れることはありませんでした。

いずれこれは、社会に出ていったあとの
大きなハードルになるような気がして仕方ありませんでした。

それを何とか切り替える<時>が来るのをずっと待っていました。
そして、今年の夏。
それは私にとっては<かけ>でした。

過去の話を二人でしていて、
中学時代のことに話が及び、
あの中学に行ったのは、君にとって
いいことではなかったねという話をしました。

「あの中学校に行って、<人間関係の研鑽をつめた>からよかった。」
(「研鑽」なんて、誤解されるような大層な表現なのですが、
ここは彼の障害ということでどうかご了承ください…)
というような話を息子はしました。

私もいろいろなものを見間違えるし、
君がどう感じているかのすべてはキャッチできないから、
私が勧めるものやところについて、反対してくれていいんだという話をすると

「それはできない。母さんは竜だから。」
(一年に一度くらい使うフレーズ)

今だと思って、話しました。

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